Yesマンの時代。

2017/09/25未分類


石原慎太郎さんと盛田昭夫さん共著の『Noと言える日本人』、
多くの提案にNoを突きつけiPhoneを生み出したスティーブ・ジョブズ、、、

何となく自分の強力なビジョン実現のためにNoを突きつけるのはカッコ良くて必要なことだと思われている気がするし、実際に普通に生活したり仕事している上ではNoを言わなくちゃいけない場面もたくさんある。
だがYesマンも振り切ればかなり価値がある、むしろ時代はYesマンの存在を後押ししているのではないか、最近そんな風に思うことがよくあるので、その理由を少し書いてみようと思う。

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冒頭からいきなり自分を肯定しているようで恥ずかしいのだが、僕は普段、3つの言葉しか発しない。

「オッケー」
「良いじゃん」
「そうだね」

これだけだ。会話の70%はこの3フレーズで構成されている。
もはやアホであるが、これはいわゆる世に言うところのーと同時に揶揄する言葉でもあるーYesマンで、基本的に全てのことに対してYesと答えている。(と思う)

性格によるものなので仕方ないのだが、いやはや本当にそれで良いのか、なんていう心配も3%くらいは常に頭の中を行ったり来たりしていた。
実際に50人ほどの会社の組織長としてあらゆることにYesと言えば矛盾が生じることもあるし、親としてもできるだけ多くのことにYesを言うのはそれなりに勇気のいることだったりもする。

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そんな中、デンマークの建築家ビャルケ・インゲルスが”Yes is more”をスローガンに掲げ活動していることを知り、自分と同じではないか!!!と心躍ったわけである。

ビャルケ・インゲルスと言えばグラウンド・ゼロの再開発やGoogle新社屋の設計などを担当する、今の建築の世界をリードするスーパースターだ。
https://wired.jp/special/2016/bigdeal/

建築の世界ではミース・ファン・デル・ローエの”Less is more”という考え方が長い間支配的で、シンプリシティとかミニマリズム的考え方もその流れを汲んでいるのではと浅学ながら推測するのだが、恐らくそれを踏まえての”Yes is more”である。痺れますね。

これは「世界のトップスターが言ってるんだから俺の提案だって正しいんだ」という、権威にすがる一番カッコ悪いタイプの主張だが、一応自分なりの”Yes is more”の理屈もある。

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“Yes is more”の結果が良い形で反映されているのがソウ・エクスペリエンスの働き方ではないかと思っている。

「子連れで働けますか」
「副業してもいいですか」
「時短でもいいですか」
「午前だけでもいいですか」
「オフィス来なくてもいいですか」
「国籍ないけどいいですか」

これらの全てにYesと言い続けた結果、個別に見ればワガママと切り捨てられがちのようなことも、全体として見ると絶妙なバランスを保ち組織として継続的に運営されていて、今50人前後だが、より少ないメンバーだった頃より今の方がワガママの方向性が程よく分散してバランスが取りやすくなっている気もする。

元はと言えば子連れは社員が10人に満たない頃「子連れでも良いからもし嫌じゃなければ今後も働いて」というお願いに近いものだし、副業も給与水準が著しく低い頃の苦肉の策だったりしたけれど、経緯はどうあれ続けていると思わぬ結果や価値観を生むから不思議なものだ。

ん?と思うことにYesを言うのは最初は少し躊躇するが、Yesを言い続けるとその様子を見た周囲の人たちが「あいつに言えばYesが返ってくるぞ」ということで方々から色んな声がかかったり要望が寄せられるようになる。
そういう提案やニーズの中に意外と良いアイデアが隠れていたりするもの、ではないだろうか。

(ちなみに蛇足だが、働き方は”Yes is more”の結果でだいぶ面白くなってきたので、今後はしっかり稼いで投資余力を拡大して、事業も”Yes is more”で著しく成長させるのが今の僕の最大の興味関心ごとだ。)

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少し話が変わるが、先日、日経BizGateに出ていた伊藤穰一さんの最近のインタビュー映像を見ていて、その中でJOIこと伊藤穰一さんは、ノーベル賞の半分以上は研究していた主目的に至る過程の副産物として生まれたものだということを話していた。
実は今や世界的に広く使われているバイアグラも狭心症の薬を作る過程で生まれた副産物だということを最近知ったが、これも想定とは違う実験結果を単に間違いとして切り捨てるのではなく肯定の目で見る”Yes is more”的産物なのではないかと、これらの話を聞いて感じた。

ビジネスの世界でも最近は、著名な起業家すら「事業計画書など不要だ」と言い始める人が出てきていて、それは今ほど多様でスピーディな世の中においては計画を作る間にすら状況は変わっていくし、計画に固執することでその周辺に偶発的に起きているチャンスを捉えられない(そしてそのチャンスこそが爆発的に大きなチャンスだったりする)リスクが大きくなってきていることを指摘しているのではないだろうか。

そういえばアダム・スミスが資本主義を表した「神の見えざる手」も、要するに「You、思うがままにやっちゃいなよ(そうすればあなたがうまくいくかどうかは知らないけど社会全体としてはあなたのような人が無数にいるから結果的に伸びるよ)」ということに他ならないわけで、だとすると300〜400年前と言っていることはあまり変わっていないわけか。。

とはいえありとあらゆる場面でNoが蔓がちな現代社会に、素麺ほどの細さでも良い、一筋の光として皆さんの考え方や行動の参考になることを願いつつ投稿。

“Yes is more”

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西村琢(Tak Nishimura)
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