オフィスの入り口のドアが開いて、女の子の元気な声が聞こえてきます。「あ ず ちゃ ー ん !」。
声の主は、ソウ・エクスペリエンスで働く女性スタッフの2歳の娘、たまさんです。あずちゃんは、別のスタッフ宮坂あずさ。たまさんは朝オフィスに来ると、まずあずちゃんにあいさつしてくれます。
ソウは、子連れ出社を推奨しています。オフィスにはほぼ毎日1〜3人の子供がいて、元気な声が響き渡っています。一画に土足禁止エリアを設けており、そこでぬいぐるみや積み木で遊んだり、子供専用パソコンでYoutubeを見たり。
専任の保育士さんやシッターさんはいません。なるべく親の近くに置いておきたいと考え、必要なときは手の空いたスタッフが子供の機嫌をとったり、遊んだりしています。
現在、ソウには約30人のスタッフがいます。そのうち子連れ出社をしているのは9人。2人は常に子連れで、7人は、保育園に預けられないときや軽い病時などに連れてきます。ちなみに、代表の西村や私を含めて3人がパパ社員です。
きっかけはひょんなことから
実は筆者の関口も子連れの初期メンバーです。約2年前。現在は保育園がありますが、当時はどうしても預け先がなく、メンバーに了解をとって妻と子供がオフィスに来たのでした。妻はちょろっと僕の仕事を手伝ってくれて、そのとき子供をエルゴで抱っこしながら、たまに授乳をして。
それを見た西村が、「これいけるんじゃないか」と思ったそうです。
働きたいけれど、預け先がないお母さんたちはたくさんいます。一方、僕らのようなベンチャー企業は人手が足りないし、採用コストもたくさんかけられません。
試しに、「子連れOK」でスタッフの募集をSNS中心に呼び掛けてみました。すると、すぐにたくさんの問い合わせがありました。そして、現在はたくさんの子連れスタッフがいるというわけです。
子連れ出社、社内外の影響は
子連れ出社は、我々にとってもまだ実験段階です。いいことばかりではないとも思います。でも、「待機児童」問題が取り沙汰されている中で、ソリューションの一つの選択肢になるのではないかと感じています。そんなわけで、約2年の経験ですが、簡単に影響を箇条書きにしてみます。なお、これは子育てスタッフ、そうでないスタッフの双方に社内ヒアリングを行ってざっくばらんに意見を聞いた結果です。
<良かったこと>
- オフィスが明るくなった。笑いが絶えなくなった
- 一人の子を長期間見守っているので、子育てを知らないスタッフも、子供の成長や子育てのその面白さと大変さに気づいた
- すぐに人材が集まった
- 新商品(出産祝い向けの体験ギフト「カタログ FOR BABY」シリーズのきっかけになった)
<気をつけなければいけないこと>
- 電話で子供の声がするので、その際は子供を電話から離すなど配慮が必要
- オフィス内の安全面
- スタッフが甘くて親が困るケースあり(親はなかなか言いづらい)
- 子供の泣き声が気になった(今は皆大丈夫なようです。慣れたのかも)
気をつけるべきことはありますが、全体としては「ありだよね」というコンセンサスが取てれきました。現在のソウには、とても自然に子供がいます。今のところ、特別な制度を作っているわけでもありません。
先日、あるライターさんがこんなことを言ってくれました。
「今の会社に欠けていて、これから必要になっているものが子連れ出社に詰まっている気がする」
通常、会社はコントロールできないことを排除する傾向にあるけれど、ソウは子供というコントロールできない“自然”を、ファジーに、いい具合に受け入れているよね、というのがその趣旨でした。ありがとうございます。なるほど、そうなのかもしれません。
毎月、見学会・勉強会やります
そんなわけで、社内はハッピー、社外の方にも好評の子連れ出社実施企業を、もっと増やせたらいいなと考えています。実は去る5月21日、子連れ出社をご検討の会社やメディアの方にお声がけし、当社見学会を開催しました。子連れ出社の実態やオフィスをご覧いただいて、意見交換をし、導入の参考にしていただこうというのが趣旨で、15人ほどの方が参加してくれました。
毎月一回くらいの開催をしますので、よろしければコンタクトください。ご興味ある方は info@sowxp.co.jp (関口か中井宛に)にメールください。
2015年9月1日追記:次回は9月16日(水)11時からです。