子連れ出勤インタビュー #1 一緒にはたらくスタッフの話

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(左から)土田、たまさん、宮坂、本間、湯本

ソウ・エクスペリエンスでは、子連れ出勤に取り組んでいます。このインタビューでは、一緒に働いているスタッフがどのように子どもたちと関わっているか、この取り組みについてどう考えているか、聞いてみました。『#2 子連れスタッフの話』 もあわせてどうぞ。


 

1: 営業職

[dropcap style=””]masumi_profile[/dropcap][highlighted_text]土田 真澄[/highlighted_text]
法人営業などを担当。社内では子連れスペースと同じフロアにあるデスクにいることが多い。


――土田さんは、営業職なので外出も多いですが、半分くらいは社内のデスクで仕事をしています。日々の印象を教えてください。

良くも悪くも、あまり気にならないです。仕事に支障はほとんどないし、逆に意外と子どもの面倒も見ていないので少し申し訳なく思います。なので私に聞いても参考にならないかも(笑)

以前のオフィスではフロア全体に子どもが入れるようになっていたけど、専用エリアを分けた今は安全面の配慮は進んだと思います。反面、子どもスペースに近い席の人は引きつづき注意が必要なのかな。

――会社にとっていいことだと思うことは何でしょうか。

当社の場合、子連れ出勤を前提に応募してきてくれたスタッフたちが、本当に優秀なこと。限られた時間内でのテキパキした仕事ぶりなど、見習うことが多いです。有能で人柄も素敵で、子供さえ預けられればいくらでも働き口が見つかるだろう人たちが「子連れOK」をきっかけに続々と集まってくる。そして保育園が見つかってからも続けてくれる。それを目の当たりにしてすごいなと感じています。

――困ったエピソードなどはありますか?

最初のうちは適応するための工夫が必要でした。子どものいないスタッフは特に、名刺や資料など、どこになにを置けば子どもの興味の対象になってしまうかわからなかったんですが、慣れればコツがつかめてきました。子どもの声についてもそうですね。他の環境音と一緒です。さまざまなことへの慣れを経て自分の器が広がったような気がします(笑)。

印象的だったエピソードとしては、まだ子供専用スペースを設けていない頃に、クライアントから電話越しに「子供の声がする」という指摘を受けたことがありました。「スタッフが子供を連れてきているんです。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。」と伝えたところ、「あ、そういうことなんですね。(重要事項を話しているのに)屋外で電話しているのかと思って」と言っていただけたんです。この言葉を聞いて勇気をもらいました。子連れ出勤のスタッフは、子どもが大きな声を出した時などに周囲に申し訳ないと思ってしまうと思います。同じように、営業としてもクライアントに申し訳ないと思ってしまいそうになるけれども、状況を説明することでご理解を求めていきたいと思うようになりました。

これが大きい会社だったらどうなっているかは、正直わからないです。この人と一緒に働きたい、と思う同士だからうまくいっている。その関係性が前提にあるのかも知れないですね。

カーペットが敷いてある専用エリアの外には自分からは出られないようになっています(転んだりすると危ないので)。出る時は手の空いている人が付き添います。この光景も定着してきました。

カーペットが敷いてある専用エリアの外には自分からは出られないようになっています(転んだりすると危ないので)。出る時は手の空いている人が付き添います。この光景も定着してきました。

 

2: WEBディレクター

[dropcap style=””]yumoto_profile[/dropcap][highlighted_text]湯本 英宏[/highlighted_text]
WEBディレクター。基本的には社内にいる。デスクは土田と同じく、子連れスペースからそう遠くない位置。


――湯本さんは職務的には内勤が多いですね。子どもと同じ環境で働くスタッフとして、意見を聞かせてください。

僕が思うのは、子どもも人だということです。子どもはかわいい、全ての赤ちゃんが好き、だからなんでも受け入れられる……そういうものではありません。その子との関係性をどう築いていくかは常にケースバイケースですし、さらにその子の親とちゃんとコミュニケーションが取れていないと、子どもともどう接したらいいか迷ってしまって、距離ができてしまうと思います。

当社のケースでは、お母さんスタッフのほうで、お子さんがよその大人と関わることにオープンな立場をとってくれたからやりやすかったのかなと。それだけじゃなくて、僕らほかのスタッフの名前を何度も子どもに教えてくれたりと、積極的な働きかけがあった。それが今のところうまくいっている鍵なんじゃないかな。

――個人的な変化はありましたか?

ベビーたちに対して、見る目が変わりました。といってもそんなに意外だったことはないですが、順調にパパを疑似体験しているような気分です。

――会社にとっていいことだと思うことは何でしょうか。

会社は明るいことが第一で、そこに貢献してくれるのが何よりのメリットだと思います。もちろん採用のしやすさもあります。

――注意すべきこと、気づいたことがあれば教えてください。

もう少し成長していったら(3歳〜4歳になったら)、いまの環境では落ち着かなくなってしまうかも。仕切りを突破しちゃうとか、動かせなかった物を動かしてしまうとか。よく議題にのぼることですが、専任の保育士を採用することも決して否定的ではなくて、状況に応じて判断したいですよね。

子連れ勤務中の石井親子。お母さんのひざの上で。

子連れ勤務中の石井親子。お母さんのひざの上で。

 

3:ベーシックオペレーション

[dropcap style=””]azu_profile[/dropcap][highlighted_text]宮坂 あずさ[/highlighted_text]
体験ギフトの予約・カスタマー対応などを担当。ベーシックオペレーションチームには、現状ほとんどの子連れスタッフが所属するため、子どもとも距離が近い。


[dropcap style=””]hom_profile[/dropcap][highlighted_text]本間 大海[/highlighted_text]
ベーシックオペレーションチームのアルバイトスタッフとして、週2〜3日ほどシフト制で働く。


――2人は梱包などベーシックオペレーションを担当する部署なので、最も子どもたちに近い位置です。必然的に面倒を見る機会も多い2人ですが、働きにくくはないでしょうか?

宮坂
最初は慣れていないのもあって、子どもたちに求められるまま遊びに応じてしまっていました。だんだんと、たとえば電話中は話しかけてはいけない、といったことがわかってくれるようになりました。そういう時は自分からおもちゃで遊んだり、他の人のところへ行っています。私の方でも、子どもたちの近くにいてそれぞれの生活リズムがなんとなくわかってきて、対処法やバランスがつかめてきたと思います。

本間
既に会社としては子連れ出勤が定着してから働き始めたので、やりづらいと思ったことはないです。これまでも個人的には子どもと触れ合う機会は多くて、姉の子ども(双子)の面倒を家族で協力してみていますし、あしなが育英会のボランティアも何年もやっていました。それよりむしろ、普通に業務内容を覚えるほうが大変でした(笑)。それでも最初戸惑ったのは、そばでぐずったときなどにどこまで干渉していいかということですね。それも親御さんがやるのを観察して、いい塩梅の動き方を覚えました。

――この取り組みでよかったと思うことは。

宮坂
私自身が成長させてもらっていると思うことです。私には子どもがいませんが、お母さんたちに教えてもらいながら、母を疑似体験できた。電車に乗っても、どれだけお母さんたちが大変かわかるようになって、席を譲ったりする気配りが今までよりできるようになったと思います。また、通常業務だけだと視野が狭くなりがちなところを、お母さんたちや子どもたちとの交流を通じて興味がいろんなところに広げられるのが嬉しいです。

本間
社内の雰囲気だと思います。良い商品を作るための熱い思いはありつつも、癒やされる空間がある。個人的にはここ以外にも仕事をしていて日々過密スケジュールだけれども、子どもに笑わせてもらって元気が出たりする。これまでやっていたボランティアの経験が現場で活かせるのも嬉しいですし、お母さんたちからそういうところを褒められるとやっていてよかったと思いますね。僕に出来ることがあるのならば、といつも思っています。

――会社にこうして欲しい、という要望はありますか?

宮坂
既にみんな意識していることではあると思いますが、子どもに気をつかうために我慢をしないでほしいと思います。集中したい人が席を外すのも、気分転換に子どもの様子を見に来るのも、好きにやってほしい。大人の気持ちは子どもに伝わるので、無理をするのが一番お互いにとってよくない。あとは、子連れスタッフの日々の感想はこまめに聞いたほうがいいですね。子どもの機嫌は日によって違うし、どうしても仕事がしづらい日もある。そういう時にストレスや引け目を感じてしまうと思うので、子連れ出勤に会社として取り組むなら、子どものことももちろんだけど、働く親御さんのケアも大切だなと感じています。

本間
オフィスの引っ越しで、奥まったところの(昼寝・授乳に使っていた)スペースが無くなってしまったので復活希望です。いまは授乳期の赤ちゃんは居ませんが、いずれ必要になるかと思いますので。それから、壁に落書き専用の面があるといいですね。スケッチブックはすぐに使いきってしまうので。

#2は、実際に子連れで出勤するスタッフへのインタビューです。6月24日(水)ごろ更新予定。