“Hey Jude”
どこかで聞いたことのある呼びかけだが、まさかこの言い回しを実際に自分が使う場面がやってくるとは思ってもいなかった。8月末から9月にかけて妻と2人の子ども、そしてフォトグラファのシングルマザー親子の6人でアメリカの三都市、シアトル、ポートランド、サンフランシスコ(どちらかというとバークレー)を巡ってきた。
ふた家族ずっと一緒にいると子どもも飽きて喧嘩を始めるので、時には一緒に、時には別行動、そしてほとんどの予定はその日決めるという、まぁいつものごとくだが緩い旅だ。
そして話は最後の都市ポートランドでの出来事。
パールディスクトリクトにあるPNCAというアート大学の新キャンパスを、学長のトム・マンレイに案内してもらった後、しばし別行動しようということになり我が家は近くの公園で子どもを遊ばせることにした。
最初は4歳の長男と1歳半の次男で一緒に遊んでいるようでそれぞれ独立した遊びを楽しんでいるいつもの光景が繰り広げられていたのだが、途中頃から同じ遊具で遊んでいた長男と同い年くらいの白人少年が混ざって何やら楽しそう。
10分も遊んでるとたいてい一度は喧嘩になるのだが、お互い言葉が通じないことが分かったのか、少し遠慮もあり全く喧嘩にならない。なんて楽なんだ。。。
そしてまずは母親同士が、ついで父親(つまり僕)同士が話をし始め、母親同士が畑や家庭菜園の話で盛り上がったらしく、滞在期間に余裕があればぜひ私のお庭を見にいらして、とのこと。
結構中心地から離れていたのにも関わらず、airbnbで宿泊していた家から車で5分というのも奇跡というかご縁があったのかもしれない。
当日、残念ながらパパは仕事で来られなかったが、ママと息子が僕らの宿泊先まで迎えに来てくれ、まずはお宅へ。小さいけどアンティークがあって、聞くとどれも数十年前のIKEAのものだったりして、拾ったり貰ったりしたものばかり、でもとても素敵な家だった。
庭でも彼女なりに工夫しながら色んな野菜を育てていて、それだけでなくお隣さんの畑にも一声かけてズカズカ入っていって案内してくれるあたり、日頃から地域がうまく連携している様子が伺える。(ちなみに葉山も田舎故か、地縁社会というものを感じる場面がよくあります)
その後は近くのハイキングコースで岩遊び、川遊び。
途中雨が降ってきて退散、、、と思いきや天を仰いで「あぁなんて美しいの森の雨は」なんて言い始めて愉快な人だな素敵だな、と思っていたけれどいよいよ本格的に降ってきたので今度は本当に退散。
今回のツアー最後のポートランドを素敵な出会いと思い出と共に締めくくることができた。
これまで色んなところに出かけてきたし、これからもそのつもりだが、今回は四人家族になってから初めての海外旅行、しかも2週間という比較的長い期間だったが、結論としては大正解だ。
もちろん機動力は圧倒的に低くなる、でもその分、今回のように思いがけない場所で思いがけない出会いがあったりして(海外で遊具のある公園に行ったのは今回が初めてだ)、これは子どもが全力で遊ぶ中で生み出してくれた副産物的だが、子どもが縦糸を、そして大人が横糸を共に紡いで織り成したひとつの小さな奇跡なのだと思う。
さぁ、小さな子どもを言い訳にせず皆さんも積極的に旅に出よう!
きっと思考距離は移動距離と比例する、、、はず。
おっと冒頭の”Hey Jude”の話を結び忘れていた。
もうお気付きの方も多いと思うが、今回出会った白人少年の名前がJude君で、終日一緒に過ごしたのでその途中、何度も”Hey Jude”と発する場面があったのでした。
それがきっかけとなり長男もビートルズの”Hey Jude”が大のお気に入りに。家でも車でもヘビーローテーションしている次第。